【提言・自動運転】産業春秋/自動運転で生まれる“ジョブ”

ビジネス・イノベーションの新理論として注目される『ジョブ理論』。提唱者である米ハーバード大学のクリステンセン教授は、消費者は何らかの“ジョブ(用事)”を果たすために商品を“雇う”と説く。朝のファストフード店でミルクシェークを買うのは、通勤運転中に目を覚まし、時間つぶしをするためだ。だから粘度が高くて飲み切るのに時間がかかる果物入りシェークを“雇う”。性別や年齢別の顧客分析では見えてこない購買行動の意味にハッとさせられる。シェークの例がよく紹介されるのは、自動車の中という制約があると分析がしやすいからだろう。米国とは環境の違う日本でも似たような事例を見つけられる。この数年、車内でスマートフォンを“雇う”機会が急増した。グズりだした幼児に動画共有サイトを見せて乗り切った人も多いのではないか。位置情報を使えば行き先案内という“ジョブ”も果たせる。海外でも、渋滞が激しい中国では耳だけで事足りる語学のネットラジオが人気とか。

産業春秋/自動運転で生まれる“ジョブ”(日刊工業新聞)

 

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