軌道修正の理由については、「世界的な水素市場の環境変化」と抽象的な表現にとどめた。要するに、燃料電池を含む水素事業は当面、ホンダとしての採算に合うビジネスにならないと考えたということだ。
本当に今、燃料電池や水素関連の市場は大きく変わっているのだろうか?
直近で、水素の輸送やインフラ関連事業者に話を聞くと「ここ1年で、皆、現実を直視するようになった」という声がある。水素関連事業においては、「つくる・はこぶ・つかう」という表現で、供給側と需要側のそれぞれにとってWIN-WINになる構図を模索してきた。
乗用車事業では、大手自動車メーカー各社が燃料電池車の量産を真剣に考えはじめた2000年代前半からこれまで、何度も「死の谷」を越えてこなかった。死の谷とは、商品やサービスが誕生しても本格普及に至らないことを指す。
ホンダが燃料電池事業で軌道修正した理由―水素は死の谷を越えられるか?(環境ビジネスオンライン)